Story
ストーリー

誕生秘話:無添加にうま味と志を。うきは市から届ける、職人の袋麺
福岡県うきは市に拠点を構える合資会社 鳥志商店は、大正七年に創業し、元々「そうめん」を製造していた老舗。ある日舞い込んだ「博多ラーメンをお土産商品として作れないか?」という依頼が、同社の新たな挑戦のはじまりでした。そこから生まれたのが、「麺と匠」シリーズ。ラーメンの名店ひしめく博多の味をベースに、塩味・鶏味・九州しょうゆ・久留米が一番・ピリ辛とんこつなど、個性豊かな味わいのシリーズを展開しています。
「スープごとに麺の太さを変えているんです」と語るのは、代表の鳥越さん。それぞれの味の個性や、地域の嗜好に合わせて作られる麺とスープには、土地への敬意と職人の工夫が込められています。

こだわり01:独自製法・鳥志掛けと無添加へのこだわり
ラーメンの乾燥工程には、鳥志商店独自の製法「鳥志掛け」が使われます。これは、麺をM字型に竹棒にかけて自然乾燥させる技法で、そうめんづくりにルーツを持ち、意匠登録された鳥志独特の形。温度や湿度に気を配りながら、60時間という長い時間をかけて乾燥させることで、麺の内部までしっかりと熟成され、風味やコシ、のどごしが格段に向上します。手間はかかりますが、その分、手延べのようななめらかさとしっかりとした噛みごたえが両立する、唯一無二の食感が生まれるのです。

もうひとつの大きなこだわりが「無添加」。 「当時、無添加ラーメン=美味しくないというイメージがありました。でも、それを変えたかった」と鳥越さんは言います。試行錯誤の末、素材の力を引き出しながら、安心・安全と美味しさの両立に成功。その思いは、昔の薬袋をモチーフにしたパッケージにも表れています。「体にやさしい」ことを、見た目からも伝えたかったといいます。

こだわり02:鳥志の一杯に宿る、ご当地の風景
麺と並ぶもうひとつの主役が「スープ」。 「特にこだわって開発したのが『久留米が一番』でした」と鳥越さんは振り返ります。味づくりにおいて大切にしているのは、実際に現地で味わったラーメンの記憶をもとに、その土地ならではの風味を再現すること。鳥越さんはこれまでに、全国各地のさまざまなラーメンを食べ歩き、自らの舌で確かめてきました。現地のラーメン店で味わった一杯の記憶と、自社の製造技術とを掛け合わせながら、"鳥志の強みを生かした"一杯を目指しています。

こだわり03:みんなが安心して食べられる、やさしい袋ラーメン
鳥志商店が目指しているのは、子どもから大人まで、誰もが安心して美味しく食べられるラーメンです。添加物を使わず、素材の味をそのまま活かした無添加スープと麺には、たくさんのこだわりが詰まっています。「親御さんが、こどもたちに安心して食べさせられる、そして"美味しいから選びたい"と思ってもらえる袋ラーメンになってくれたら嬉しいですね」と鳥越さんは語ります。無添加であることにこだわりながらも、味の妥協は一切ありません。試作を重ねて作り上げたスープと麺は、「無添加なのにしっかり美味しい」と多くの声が寄せられる自信作です。

想い:次の一杯のために、守るべきもの
福岡県うきは市は、かつて九州三大麺所(浮羽・神埼・島原)と言われるほど、麺づくりが盛んな地域でした。良質な小麦粉が採れ、名水百選にも選ばれる清らかな井戸水を有するなど、製麺に適した自然環境が整っています。そんな風土の中で、鳥志商店は独自の製法と伝統を守り続けています。
創業以来、長く受け継がれてきた技術と信頼。鳥志商店独自の製法である「鳥志掛け」は、その特殊な形状と乾燥方法ゆえに、ほとんどすべての工程が手作業で行われています。現在は年間約7〜8万食を出荷し、経験豊富な10数名のスタッフで製造を担っています。ただし近年は、製造スタッフの高齢化もあり、技術継承と後継者不足が課題に。 「会社を続けることだけでなく、鳥志の技術を未来に残すことも自分たちの役目」と鳥越さんは語ります。

社名の「鳥志」は、創業者・鳥越志良さんの名前にちなんで名付けられました。その中には「志を持って商いを続ける」という、変わらない信念も息づいていると感じました。100年以上続くその志を、今の時代に、次の時代に。鳥志商店の一杯には、伝統・技・そして人の想いが、丁寧に込められています。

合資会社 鳥志商店
https://torishi.co.jp/
美味しく食べるために
鳥志商店の麺は「鳥志掛け」という独特な製法で作られており、M字型に成形されているため、調理の際にはまずふたつに割ってから茹でるのがポイントです。このひと手間で、麺全体がムラなくゆで上がり、スープとのなじみもより良くなります。


おすすめの食べ方

塩味:柚子こしょうと蒸し野菜でさっぱりヘルシーに
シンプルで澄んだスープが特徴の塩味には、野菜や鶏ささみなど淡白な具材がよく合います。蒸しキャベツやもやしに、ほんのり柚子こしょうを添えれば、野菜もたくさん摂れるヘルシーな一杯に。

とんこつ:王道トッピングと味変
とんこつの旨みをしっかり味わいたいなら、トッピングはシンプルが正解。チャーシュー、味玉、さっと茹でた青菜を添えるだけで、スープのコクが引き立ち、王道の一杯に仕上がります。味に変化をつけたいときは、コチュジャンをほんの少し加えてみるのもアリ。まろやかなとんこつに、ピリッとしたコクが加わり、後を引く美味しさになります。

ピリ辛とんこつ:"旨辛まろやかラーメン"にアレンジ
ピリ辛とんこつ味にまろやかさをプラスするなら、スライスチーズや卵黄をのせて変化球を。辛さがマイルドになり、辛いものが苦手な人にも食べやすくなります。その上にさらに食べるラー油を足せば、ピリ辛とまろやかの両方を楽しめる、やみつきの一杯に仕上がります。

久留米が一番:定番トッピング全部のせで本場感!
とんこつの本場・久留米の味を感じるには、定番具材をしっかり揃えて。キクラゲ、チャーシュー、海苔に味玉、紅しょうがを好きなだけ。替え玉風に麺を硬めにゆでるのもおすすめです。

九州しょうゆ:定番トッピング全部のせで本場感!
九州しょうゆのやさしい甘さには、甘辛く炒めた牛肉とごぼうのトッピングがおすすめ。細切りにしたごぼうと牛こま肉を、しょうゆとみりんでさっと炒め、ラーメンの上にのせるだけで、ご当地の味がグッと深まります。食べごたえもアップするので、満足感のあるお昼ごはんにもぴったりです。

鶏味:鶏だし鍋 → 締めラーメンで2度美味しい!
まずは鍋にスープの素と水を入れて、白菜・きのこ・豆腐・鶏団子などの具材と一緒に、鶏だし鍋として楽しむのがおすすめ。たっぷり野菜と一緒に煮込めば、濃厚ながらやさしい旨味の鶏スープが身体をポカポカにしてくれます。スープが煮詰まって旨みが凝縮したら、締めに麺を加えてラーメンに!1つで2度楽しめるメニューです。